日本針穴写真協会 2010年7月4日(日)例会ご報告


日    時: 7月4日(日) 14:30〜17:00
場    所: 神楽坂トワイシア ヒルサイドレジデンス パーティルーム
出 席 者: 6名(会員3名 理事3名) 田所美惠子 中島正己 遠藤志岐子

梅雨明け宣言も間近に迫り、すでに真夏のような日差しの中を仙台、水戸など、遠くからも足を運んでいただきました。ワールドカップ観戦の余波もあってか、出席者は少なかったものの、各人が持ち寄った写真やカメラを前に、それぞれに興味深いお話をじっくりと伺うことができました。話題の一部をご紹介します。


仙台のKさんが見せてくださったのは、雪がまだ残る蔵王をブローニーサイズのカラーフィルムで撮りインクジェットで出力したもの。また、2つ穴カメラで同時に露光したアーケード街の不思議な写真が印象的でした。超広角のカメラを使用するので、画像の中心部が明るく飛んでしまうのを避けるために、カメラの前で露出時間の半分を「フリフリ棒」を使って撮影。それでもまだ十分でなかったというKさんに、露出時間の最初から最後まで使えば大丈夫、という遠藤さんからのアドバイス。


水戸のTさんは、焦点距離90ミリのゾーンプレート+赤外線写真をデジタルカメラで撮影した花や風景を見せてくださいました。情報工学の研究者として知られるTさんだけあって、さまざまなデータをとりながら比較して見せてくださった写真とお話は、危機的状況にある銀塩写真のことを考えると、デジタルによるピンホール写真の将来性を垣間見ることができるものでした。針穴写真の基礎から丁寧に解説されている「アトリエ凡龍」は、JPPSHPからもリンクされていますので、ご興味のある方はそちらでご覧下さい。

JPPSの皆さんもすでにご存じのように、Yさんが作るピンホールカメラはその精巧さ、美しさに定評があります。今回見せてくださった新作のカメラはチーク材を使ったものですが、材料はすべて東急ハンズで売られている既成のサイズのものを上手に利用したものだそうです。カメラ本体の前面は、針穴の大きさを変えるためにレンズボードが取り外しできるようになっていると同時に、背面は、簡単な部品で45用ホルダーとブローニーサイズ用マガジンがどちらでも使えるようになっていて、非常にコンパクトな作りに感心しました。


ホルガを改造するEさんからは、今までプラスチックをやすりで削っていたが、自分で組み立てられるルーターが模型店にあったので、買って使ってみたところ非常に満足している、という製品情報をもらいました。


夏の会員展の申し込みが始まり、出席者も出品作のことにそれぞれ思いを巡らし始めたあたりでお開きの時間となりました。次回の例会は10月を予定しています。(田所)