日本針穴写真協会 2011年10月16日(日)例会ご報告


日    時: 10月16日(日) 14:30〜17:00
場    所: 神楽坂トワイシア ヒルサイドレジデンス パーティルーム
出 席 者: 名(会員6名 理事3名) 田所美惠子 松上興司 中島正己

夏の再来のような日曜日、9名それぞれが持ち寄った作品やカメラを披露しながら意見交換を行いました。8月の会員展で初めて針穴写真に触れ、9月のワークショップを経て例会に参加された新入会員の方々が、わずかの期間でも精力的に写真撮影をされていることを知ってとてもうれしく思いました。
Miさんは、9月のワークショップに初参加され、その時に作ったカメラで早速撮った6x6のカラー写真をたくさん見せてくれました。東京スカイツリー周辺の風景で、かろうじて残っている古い建物とのコントラストが面白い写真でした。次は4x5カメラを作ってモノクロに挑戦したいとのことです。
Maさんは、今デジタルピンホールに挑戦中で、オリンパスペンの焦点距離を20ミリから12ミリへと改造し、感度400と手振れ防止装置を利用することで手持ちの撮影をしているそうです。
Taさんは、今年の会員展でも専門的な解説をしてくださったゾーンプレートの3つのバリエーション(フレネル、ガボール、フォトンシーブ)に加えて、フォトンシーブの方形バージョン「直交直線型ゾーンプレート」(縦横に規則性のある)というものを披露してくれました。見た目も美しい幾何学的な図形で、物理の分野では実際に利用されているそうです。次は焦点距離1メートルの望遠ゾーンプレートで月のクレーターの写真に挑戦したいとのこと。
Eさんは、以前、細江英公氏のワークショップで作った作品(針穴写真ではない)と同じような効果をインクジェットプリントで出せないものかと考えていたそうですが、満足するものができたと、割れた窓ガラスの旧い建物の写真を見せてくれました。当時の作品も見せてくれましたが、まるで線描画のような感じでさらに絵画的なものでした。
Fさんも例会は初参加。写真歴が長くデジカメでの撮影が中心とのことですが、4x5カメラのワークショップに参加されてから針穴写真を楽しんでいるそうです。大判カメラで有名なN製作所に注文したピンホールカメラでは満足できず、結局その部品を活用して自作の木製ブローニーカメラを作ってしまったといって見せてくれました。海辺のボートを撮ったカラー写真は色合いも構図も見事でした。
Iさんも今夏の会員展をご覧になり入会されたばかりですが、丸めた稲わらを被写体にした写真2カットを早速披露してくれました。使用したカメラはN製作所で作ってもらったものだそうです。
Kさんは、今回もまた都心の景色(新宿御苑、丸の内、原宿など)を大きく伸ばしてお持ちいただきました。今回は作品をクリアファイルに入れたプレゼンが見易かったです。ご友人の評は、静止した被写体よりも動いているものを撮ってブレの出たもののほうが面白いとのことだそうです。
Nさんは、最短60ミリから最長120ミリまでの焦点距離をカバーし、その間のどの位置でもしっかり固定できるよう工夫された8x10の手作りカメラを披露。また、1枚の写真からカラーやコントラストの違うバリエーションをサムネイル判で出力して一覧できる機能を使うことで、ペーパーを無駄にしない方法を提案してくれました。
 次回例会は来年1月に新年会を兼ねて開催する予定です。皆さまのご参加をお待ちしています。(田所)