日本針穴写真協会 2012年9月30日(日)例会ご報告


日    時: 2012年9月30日(日)14:30‐16:30
場    所: 神楽坂トワイシア・ヒルサイドレジデンス パーティルーム
出 席 者: 5名(会員 理事名) 会員3名 田所美惠子 中島正己

台風17号が関東地方を通過する直前の時間帯のため、終了時間をいつもより少し切り上げましたが、会員5名が会場に集い、それぞれが持ち寄った作品やカメラを披露しながら意見交換を行いました
Eさんは、以前の例会でTaさんが披露してくれたゾーンプレートに関心を抱き、さっそくデジカメにゾーンプレートを取り付けて試し撮りした写真を見せてくれました。1枚は青空をバックに建つ無機質なビルを引きで撮ったもの。もう1枚はオレンジ色の郵便受けを、背後のさまざまな物体と一緒に映した写真で、そのままプリントしたものとデジタル処理(ノイズの低減)でより鮮明にしたプリントを比較しました。フォトショップで処理したものはより鮮やかになっていますが、ゾーンプレート特有のもやっとした効果は減っています。ゾーンプレートは実践する方がまだ少ないのですが、いろいろと試してみると、針穴とはまた違う面白さが発見できそうです。
日本針穴写真協会以外にも写真クラブに所属し、両方の例会で発表する写真を撮るために週一回は必ず出かけるというKさんは、今回もまた都心(原宿など)の景色を四切のカラーと白黒で見せてくださいました。また、ガラス乾板用の大正時代の蛇腹式カメラが出てきたので、それを針穴カメラに改造して初めて印画紙ネガに挑戦したと、ネガと密着ポジを披露してくれました。被写体探しには小型デジカメを使い、この日も例会の前に神楽坂の裏通りで写真を撮ったものを見せてくれました。つい最近まで猛暑の続いた時期に暗室作業もこなしていたとお聞きし脱帽しました。
Nさんは以前の例会で自作の「明るい暗室」と「明るい現像器」を披露しましたが、今回私たちが見たのは、さらに衝撃的な「明るいピンホールカメラ」です。赤い光に反応しない印画紙の特徴を生かした透明な赤いボディのスケルトン構造。中に入っている印画紙が見えていても大丈夫、と証拠写真も見せてくれました。これには出席者もみんな大喜び。「明るい暗室」を見損なって残念がっていたEさんも大満足でした。
私は、新宿のホテルでの展覧会のために制作したインクジェットプリントと印画紙のオリジナルプリントを両方比較してみようと、今回みなさんに見ていただきました。手焼きのプリントにこだわる者としてはやはり印画紙のほうがいいと思うのですが、納得のいく良質の印画紙が姿を消しつつある現実を受け止めて対処することも大事だと思います。
次回例会は12月に開催する予定です。例会の良いところは、実際に作品やカメラを見て、その場でいろいろな質問をしたりできる点です。気軽に参加していただける会ですので、より多くの方々がいらしてくださることを期待しています。(田所)

     
皆様お疲れ様でした。