日本針穴写真協会 2017年9月24日(日)例会ご報告


日    時: 2017年9月24日(日)14:30‐16:30
場    所: 神楽坂トワイシア・ヒルサイドレジデンス パーティルーム
出 席 者: 5名(会員2名 理事3名)  遠藤優、中島正己、田所美惠子

8月の会員展からまだ1か月も経たず、またお彼岸の時期と重なったために、いつもより参加者の少ない例会となりましたが、会員2名と理事3名の計5名がいつもの会場に集まりました。その例会の一部をご報告します。
まずはゾーンプレートの話題から。Ogさんは、ゾーンプレート制作用の印画紙上のゾーンのパターンと、それをブローニーサイズのフィルム(ローライ社のATO)で撮影したゾーンプレートの集合体を見せてくれました。また、デジカメに取り付ける針穴の数(1、2、8、9)を換えられるレンズで、写りの違いを見せてくれました。
Eyさんもゾーンプレートを暗室作業で作成したいということで、Ogさんがネットで入手したフィルムを使って近々作ってみるそうです。そこにゾーンプレートの大家のTaさんが加わり、ゾーンプレートの新しいパターン「フラクタル」を紹介してくれました。これはゾーンプレートの歴史(19世紀)の中ではかなり新しく、2003年に発明されたことからまだ実例写真はないそうですが、これまでのゾーンプレートとの違いは、(理論上)被写界深度が深いことと色収差が少ないことだそうです。
Taさんはまた、針穴の一種であるスリットカメラについても作例とともに説明してくれました。素通しのスリット同士を交差させるのもあれば、素通しスリットとゾーンプレートのスリットを交差させるものもあるということです。
Naさんは先月入手したHOLGAを改造したものを2台披露してくれました。一つはHOLGA1台を換骨奪胎して上下逆さまにマウントし、湾曲した写真を撮れるようにしたもの(6×9)、もう一つはHOLGA2台を横につないで6×12のパノラマ仕様にしたもの。どちらも改造感を感じないほどに美しい仕上がりで参加者のため息を誘いました。HOLGA改造の肝は、コンデンサーなどを収納してある上部を上手に外すことですが、巻き上げのつまみのすぐ下をドライバーなどで開けて、その下にあるビスを外すと簡単にできるそうです
前回の例会で富士フィルムAcrosの大判(4×5と8×10インチ)フィルムが来年5月出荷分で製造中止になるというニュースを知って衝撃を受けたことを例会報告書で書きましたが、銀塩の材料はますますレアなものになっています。先月の会員展の来場者などは、外国から帰国するときの荷物を減らすために期限切れのフィルムを捨ててしまい後悔しているという話をしていました。実は私も期限切れのフィルムをたくさん抱えていて処分を考えていましたが、最近になって期限切れフィルムにつきものの「かぶり」をなくすためにブロムカリを現像液に加えると良いと聞き試してみたところ、かぶりのないきれいなネガができました。フィルムの消費期限は2007年、取っておいてよかったと思いました。
次回の例会は12月を予定しています。例会後は恒例の忘年会を今年も神楽坂で開きます。日時は11月上旬にお知らせします。大勢の皆さまのご参加をお待ちしています。(田所


皆様お疲れ様でした。